関西学院中学部図書館

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2006年度関西学院中学部通信「図書館より」


 2007年3月20日発行


 本を紹介する本、いわゆる「ブックリスト本」が売れているようです。ちょっと前では、立花隆『ぼくはこんな本を読んできた』(文藝春秋)。最近では、齋藤孝『齋藤孝のおすすめブックナビ 絶対感動本50』(マガジンハウス)、文藝春秋(編)『東大教師が新入生にすすめる本』(文春新書)など。知識人や権威への憧憬は、人間なら誰しもあることでしょう。

 憧憬を超えるブックリストとして、中学部では独自に『推薦図書リスト』を編集しています。社会的な使命、普遍的な教養、生徒同士の共感を生徒が得られるよう、中学部として選書しているリストです。約200冊の本を紹介しています。

 このリストを効果的に活用するべく、巻末に「読書ノート」を付けています。生徒は、定められた冊数をリストから選んで読み、「読書ノート」に読後感などを書いて、毎学期始業式にクラス担任へ提出します。クラス担任とともに読書科において確認したあと、生徒に返却しています。

 毎回、その生徒でしか書けない感性、文体、語彙を楽しんでいます。生徒の文章から習うこともしばしば。4月10日、どんな「読書ノート」が提出されるでしょうか。今から楽しみです。
 
 春休み中、残念ながら中学部図書館は蔵書点検などのため閉館しています。その分、長期貸し出しによって、生徒たちはたくさんの本を借りて帰っていることだと思います。ご家庭におきましても、生徒たちの目標ある読書生活を応援していただければ幸いに存じます。


 2006年12月20日発行


・ 養老孟司『バカの壁』(新潮新書) 420万部
・ 藤原正彦『国家の品格』(新潮新書) 230万部
・ 樋口裕一『頭のいい人、悪い人の話し方』(PHP新書) 220万部
・ 山田真哉『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社新書) 150万部
・ 三浦展『下流社会−新たな階層集団の出現』(光文者新書) 80万部
 
 新書ブームが続いています。新書とは、岩波茂雄によれば「現代人の現代的教養を目的」とした本のこと。岩波新書創刊から約70年経った今、新書の敷居は低くなりましたが、大衆の知的欲求を満たす役割は何ら変わっていません。
 
 新書自体の「質的低下」など、新書ブームへの批判もあります。しかし、「新書というのは、世界にも稀な大衆啓蒙メディアで、こんなに気軽に、広範な知識に触れられる日本人は幸せだと思います」(『新書365冊』(朝日新書))という宮崎哲弥の言と同じく、私もこの動きに賛成です。批判がある「質的低下」においても、中学生でも読めるくらい書き方が易しくなったと解釈しています。
 
 古典的名著である梅棹忠夫『知的生産の技術』(岩波新書)を教材として使用していることを一つの契機として、生徒に対して二学年次より新書のすすめを行っています。目的は大きく三つ。

・ 論説文、説明文に慣れるため
・ 現代社会における問題あるいはそのヒントを見つけるため
・ 問いから答えに至るlogic(論理)を身につけるため
 
 これらの目的がレポート・論文作成を中心とする研究活動につながっていることは言うまでもありません。
 
 冬休み中、残念ながら中学部図書館は閉館しています。その分、生徒たちは長期貸し出しによってたくさんの本を借りて帰っていることでしょう。ご家庭におきましても、生徒たちの読書の後押しをいただければと思います。3学期、現代社会にしっかりと根を下ろす生徒たちの姿に出会えることを楽しみにしています。


 2006年7月20日発行


 少年易老学難成。

 本日、生徒たちはたくさんの本を借りて帰っていることでしょう。夏休みは、日常の忙しさから脱却し、一つのことに集中するいい期間でもあります。本に向き合い、教養をつけ、感性に磨きをかけましょう。夏休みがない大人になってから、「中学生の夏休みにあの本を読んでおけばよかった」と後悔のないように。

2006年度関西学院中学部通信 - 関西学院中学部図書館

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