1886(明治19)年11月24日、関西学院の創立者であるW.R.ランバス先生は、「米国南メソジスト監督教会日本宣教部総理」として、はじめて日本にやってきました。翌日、先生による最初の伝道活動は、「読書館」(Reading Room)を開設したことでした。キリスト教への信仰を、ただ感性に訴えるようなアプローチだけでなく、知的な理解力に訴えるアプローチをとっていたようです。
1947(昭和22)年4月、戦後の新しい学校制度に基づいた新制の中学部がスタートしました。初代部長である矢内正一先生は、読書と図書館の重要性を認識し、まず教職員室に生徒用の本を並べ、生徒の「読書室」として開放しました。その名残は、現在の教員室にも認められます。
この2つの事実は、関西学院、そして中学部が創立以来、読書や図書館を大切にしている証と言えるでしょう。しかし、その大切さは、関西学院や中学部の充実と同じく、長いスパンでとらえる豊かな了見がなければわからないものです。
春休み中、残念ながら中学部図書館は蔵書点検などのため閉館しています。その分、長期貸し出しによって、生徒たちはたくさんの本を借りて帰っていることだと思います。ご家庭におきましても、豊かな了見によりまして、読書や図書館の大切さを説いていただければ幸いに思います。
・ 呉承恩『西遊記』 57回
・ 佐江衆一『けんかの仕方教えます』 56回
・ ル=グウィン『こわれた腕環 ゲド戦記2』 55回
昨年度の中学部図書館のベストリーダーです。こんなデータも、生徒たちの「読書欲」を掻き立てる一つの道具。学校では、それを満たすたくさんの仕掛けを用意しています。
生徒たちがご家庭で過ごす時間が多い夏休み。生徒たちの「読書欲」を掻き立てるような、読書のすすめをいただければ幸いです。
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